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NECソフトでは、省エネルギーや省資源、環境負荷の削減など幅広い側面から環境貢献を図っています。ITを有効活用した環境貢献 もその1つです。
第一官庁ソリューション事業部 第二システム部長
矢木 義規
世界的にエコロジーへの関心が高まり、地球温暖化対策が「待ったなし」の状況となるなか、NECソフトはソリューションプロバイ
ダ、ソフトウェア開発企業としての特徴を活かして環境貢献を進めています。NECソフトが開発し、SaaS※の形態で提供している「
エコドライブ&車両管理システム:DriveManager」は、ドライバーの省エネ運転・安全運転を促進し、自動車の排出ガス削減、温室効
果ガス削減に貢献しています。
またDriveManagerは、環境に貢献するSaaSとしての優秀性が評価され、特定非営利活動法人ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム
による「ASP・SaaS・ICTアウトソーシングアワード2009」で「ベスト環境貢献賞」を受賞しました。
※ SaaS(Software as a Service):ソフトウェアを購入・所有する必要はなく、ネットワークを通じてソフトウェアの便利な機能を 使えるサービス
私は、官庁向けソリューションを提供する事業部に所属しており、ITS(高度道路交通システム:Intelligent Transport System)の分
野で、国土交通省などへ各種システムの構築・導入を行ってきました。ITSは情報通信技術を使って、人・道路・車両をネットワーク
し、事故や渋滞など道路交通問題の解決を目指すシステムです。渋滞情報などを配信するVICS(道路交通情報通信システム:Vehicle
Information and Communication System)やETC(自動料金支払いシステム)などが含まれます。
2003年、私たちは自社のソフトウェアを使って「環境にやさしい運転の仕方を指導するような仕組み」が作れないかと考え、環境省に
提案して実証実験と共同開発のプロジェクトを立ち上げました。私たちは、公共性の高いソリューションに携わっている関係で、世の
中のためになることをしようという意識を常に持っています。高まりつつある地球温暖化への危機感から、私たちの技術をエコドライ
ブに応用し、地球環境に貢献して新たな付加価値を創造したいという想いがありました。
新しいシステムのユーザをどこに設定するかを考えた時、車両を大量に抱えているということで、まず物流企業が思い当たりました。 しかし、日本の物流企業は意識が高く、経費削減の必要性もあって、2000年ごろからすでにエコドライブに取り組んでおり、かなりの レベルまで対策が進んでいました。エコドライブ普及推進協議会が報告しているとおり、運輸部門のCO2排出量は1990年ごろから比べ ると増加しているものの、近年は減少傾向を示しています。総排出量の約半分を占める自家用乗用車からの排出量を削減するほうが、 むしろ効果的であることがわかり、違うユーザターゲットを探し始めました。そこで思い当たったのがオートリースの会社です。すで におつきあいのあったオリックス自動車株式会社様と共同で、リース車両の新しい管理システムを開発することに決定。このシステム にエコドライブを推進する様々な機能を盛り込んでいきました。
新しいシステムは「テレマティクスシステム」という形態で、GPSによる車両位置情報や加減速、走行距離などのデータを自動車の車 載機器から携帯電話の通信網を使ってサーバに集約、分析していきます。当初は、環境省はもちろん様々な自治体の協力を仰いでいろ いろな実証実験を行いました。気候や道路事情などの条件を変えて、札幌・旭川・上越・川崎などで行ったユーザ公募型の実験では、 一定期間ユーザの車に機器を搭載して、日常の走行状況を収集・分析します。また、機器と情報分析の精度を上げるため、地方の小さ な空港を借り切ってテストドライバーによる試験走行も行いました。それによって、どのような走行でどんな数値が出るのか、急加速 ・急減速がどれくらいの数値のことを指すのかといった感覚が、わかるようになってきました。
「DriveManager」は、2004年からサービス提供が始まりました。企業ユーザを数多く抱えるオリックス自動車様では、オートリースの オプションサービスに利用されており、他社との事業差別化に貢献していると評価をいただいています。最近のガソリン価格高騰から 経費削減ニーズが高まったことももちろんありますが、企業の環境意識の高まりもサービスの評価につながっていると思います。エコ ドライブは、安全運転の推進、事故の削減に直結し、ユーザ企業にとって社会的責任を果たすことにつながります。面白いこと に、「DriveManager」が自動車教習所で使われている例もあります。少子化で生徒が減少する中、企業の社員向けエコドライブ教習が 人気を博しているとのことです。
最近の新型車はエコカーが主流で、燃費表示や急加速の警告機能などが標準で装備されていることも多いようです。「エコドライブの 推進は自動車メーカーに任せればいいのでは」という意見もありますが、IT企業であるNECソフトだからできることもあると思いま す。例えば、企業ユーザを想定した場合、その場の警告機能だけでは不十分で、運転データを一元的に把握・収集・分析して時系列 で「見える化」するようなことが必要です。どうすれば理想のエコドライブに近づけるのか、ベストプラクティスを社内で共有して、 それを目標としていくといったことがとても効果的です。ドライバーの自己満足に終わらせず、客観的な評価をもとに改善を進めると いったソリューションは、IT企業ならではといえるのではないでしょうか。「DriveManager 」は、輸送業の運行管理と連携するなど 改良が加えられていく予定です。ユーザ企業の業務にエコドライブを組み込んでいくというアプローチで、環境対策が型どおりのもの にとどまらず、日常にしっかり根付いていく支援になることを目指していきます。
総合的な燃費運転のスペシャリストをめざして(エコドライブレーダーチャート)
赤いライン(あなた)が青いライン(平均)
の外側となるように運転を心がけてください。
あなたは燃料節約に心がけていますか?(運転挙動グラフ)
1日毎の運転挙動の時間比率を示しています。アイドリング時間は
少なく、等速走行時間が多くなるように努力しましょう。