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CSR(企業の社会的責任)

トップ対談

個人の感動が社会の感動になるもっとワクワクするNECソフトへ

NECソフトが、本業のITソリューションを通じて社会に貢献する方法について、企業倫理がご専門の梅津准教授と、社長の古道が対 談しました。

ソフトウェア開発にある「モノ作り」の感動

梅津
古道社長は、1976年に入社されて以来ずっとNECソフトに在籍し、ITに関わる様々なお仕事をされてこられました。 入社された約33年前といえば、コンピュータがまだ新しい産業だったのではないでしょうか。
古道
そうですね、当時はまだコンピュータは一部の専門家が使うものでした。私は入社後メインフレームコンピュータのOS開発に 携わりましたが、当時のコンピュータは巨大で、とても高価です。ですから開発チームのメンバーでさえ、情報処理センター にあった24時間稼働のマシンを予約して使っていました。プログラムをコーディングすると、それをキーパンチャーに頼ん で、マークシート用紙のようなカードに打ち込んでもらいます。分厚いカードの束をカードリーダーで読ませてプログラムを 実行する時代でした。大抵のことがマウスのドラッグアンドドロップで済んでしまう今とは隔世の感があります。
梅津
なるほど、実は私もその時代の記憶があります。大学の情報処理概論の実習では、やはりカードリーダーにお世話になりまし た。台形の面積を計算するプログラムを作るのに何度も失敗を重ねて「紙と鉛筆のほうがよっぽど早い」と文句を言いたくな った覚えがあります。でも、ようやくプログラムがエラーなしで動作し結果が出たときは「やった」と思いましたね。
古道
その感覚はよくわかります。エンジニアはそこに感動を覚えるものです。私も開発の仕事が好きで、入社当時から毎日の仕事 を純粋に楽しんでいました。形の見えないソフトウェアでも、自分たちで何かを作り上げるという実感があるのです。
梅津
モノ作りに通じる感動があるのですね。
古道
そうです。現在では手法がだいぶ変わって、ソフトウェアの部品を組み合わせて効率的にプログラミングできるようになった のですが、自分たちの力で作り上げることでは変わらない感動があると思います。今やパソコンや携帯電話が当時のメインフ レームコンピュータを凌ぐ性能を持っていて、世界中がインターネットでつながっています。ITの可能性、影響力は比較にな らないほど大きくなっていて、エンジニア魂が刺激されるのではないでしょうか。

予想を超えて進化するIT利用

梅津
ITには、私たちの社会や生活をより良いものにしていくパワーがある気がします。あるときから鉄道の改札がカード式にな り、やがてICカードでタッチするだけで通れるようになりました。あれはちょっとした感動でした。今は、携帯電話をかざす だけで自動販売機やお店で物が買える時代です。先日、自分の携帯電話でその体験をした時も楽しくて、とても自由になった 感覚がありました。
古道
私が今思っているのは、ITの利用のされ方が私の予想を遙かに超えて大きく変わったということです。例えばメールはどんな 人にも欠かせない非常に身近なコミュニケーション手段になっています。
梅津
そうですね。私が学生のころはコンパをやるとなったら、「いつどこでどうやって集まる」といったプリントが出回ったもの ですが、今は全部メールです。ゼミの行事予定なんかでも、学生に「まだ配布しないのか」と催促すると「先生、もうメール で回しています」と言われ、どきっとしたりします。まずスピードが違いますね。
古道
Web上でフリーな百科事典を作るWikipediaや動画共有サイトのYouTubeでは、地球レベルでの知識の共有、体験の共有が進んで います。飛行機や列車の予約や切符購入もWeb上のサービスにアクセスすれば瞬時にできてしまいますし、企業はITでビジネス の新しいサービスを開拓しています。

IT企業としての社会的責任

梅津
NECソフトはそうした社会インフラを支える立場ですから、極めて責任重大ですね。一社ではとても責任を取りきれない気 がします。
古道
確かにそのとおりです。しかし、逆に言えばたとえ一社といえども責任を放棄することは許されません。最終責任は必ず持つ という考え方が私たちの基本です。私どもが構築している公共のシステムや様々な企業の基幹システムは、ひとたび問題が起 これば社会的に大きなインパクトとなります。優れた品質のシステムを提供することが私たちの本業を通じた社会的責任につ ながるはずです。
梅津
なるほど、社会的責任を果たすための行動とはどんなことなのでしょう。
古道
例えばソフトウェアの堅牢性を高めることもそのうちの一つです。人間は必ずミスを犯しますから、それを前提にシステムを 設計します。問題が生じた際に他へ影響が波及しない仕組みを取り入れる、あるいはシステムを自動修復する機能を組み込ん で、継続的に利用できるようにするわけです。これは"robust(ロバスト)"という考え方で、システムの高い柔軟性が結果的 に堅牢性に結びつくというものです。
梅津
それはとてもインスピレーションが湧くお話ですね。予期できない事態に柔軟に対応する、あるいは自動修復するということ は、経営マネジメントにも通じます。信頼できるマネージャーは「ぶれない」ことが大切ですが、融通の利かない石頭では困 ります。経営学者のヘンリー・ミンツバーグ※が語るように、突発的な状況に対して常に工夫をし、自分を立て直しながらや っていく、つまり「創発」によって予想以上の価値を生みだすことができる。こうした事とつながる気がします。
※カナダの経営学者
古道
私どもが手がけているような社会的に重要なシステムは一人では到底作れません。完全にチームプレーになるわけです。一時 期に何千という人員が参加するプロジェクトになることもあります。ですから梅津先生が話されたことは大変重要だと思いま す。最近私は「信頼性、すなわち品質の高いシステムを提供するために何が必要か」という問いかけがあると、「品 質はプライドだ」と答えるようにしています。“責任を感じずに何の工夫もせず仕事をするのが一番まずい。”プ ログラムに瑕疵があれば作り手としての自分のプライドが傷つく、痛みを感じるくらい自覚がなければいけないと思うので す。そしてもう一つ大切なのが「謙虚さ」です。対話を通じて相手が言うことを素直に聞く、状況を客観 的に見る。この二つによってポジティブなチームワークが生まれ、そのチームからすばらしいシステムが生まれるのです。
梅津
なるほど「謙虚さ」は企業倫理という点からも、備えておきたい資質ですね。声の大きいチームの意見だけを採用してプロジ ェクトを進めてしまったためにとんでもない失敗をしてしまったというケースは、いろいろなところで聞いています。意地の 張り合いは企業倫理を破滅させる一つの要因です。
古道
私もそう思います。私どもが提供するシステムは、お客さまのビジネスや生活を支えるわけですから、失敗は許されません。中 には新しい技術の導入に挑戦して、予想以上に苦戦するプロジェクトもあります。数百人のエンジニアを割り当てて全力を振り 絞って構築し、お客さまに満足いただいたシステムは、結果的に私たちにとって大きなノウハウとして蓄積されます。

NECソフトらしさで社会に貢献

梅津
普段からお付き合いさせていただいていると、NECソフトには「お客さまにはとことん信頼されたい」という強い気持ちが 根付いているような気がします。それはどこから来ているのでしょうか。
古道
やはり設立以来34年の歴史を通じて次第に醸成されてきたのだと思います。社員が一致団結する姿勢は共通の理念から生まれ てくるものです。
梅津
社会的責任を果たすために共通の理念や明確な目標は大切です。NECソフトが掲げようとしている目標はどんなことでしょ うか。
古道
「NECソフトを世界トップクラスのソフトウェア会社にする」ことです。
梅津
それは順番で言うと何番くらいでしょう。
古道
単なる順位で判断されるものではないと思います。お客さまに対する価値創造、品質、顧客満足度、従業員満足度などが重要 な基準です。お客さまの要求・意向を汲み取って最適な提案を行い、最高のシステムを提供し「さすがNECソフト」と認め られることによって獲得できる評価なのです。
梅津
NECソフトの社員の方々は、どなたも最初の印象がクールなのですが、ケースメソッドなどでディスカッションを始めると とても面白い発想を持ち、本質を見抜く力を持っていると感じています。こういう皆さんが一緒に行動を起こすと、かなりの ことができるのではないかと思います。NECソフトは非常にポテンシャルの高い会社ですね。
古道
私どもは優秀な人材を多く抱えています。自由闊達で風通しのいい企業風土とともに大きな強みです。私はNECソフトを「 ワクワクする会社」にしたいと考えています。一人ひとりの「こうしてみたい」という気持ちが集まって提 供されるシステムはお客さまのビジネスを変え、社会をもっと豊かにします。あるいは汚染物質を減らして環境に貢献すること もあるでしょう。新しい価値を創造できるわけです。仕事や会社のことに限りませんが、このように「個人の感動が社 会の感動になる」これが世の中の理想だと、私は思っています。
梅津 光弘

1980年慶應義塾大学文学部卒業後、トリニティー神学校修士課程、シカゴロヨラ大学大学院博士課程修了。Ph.D.(哲学博士 )。イリノイ大学、シカゴロヨラ大学、ノースウエスタン大学専任講師。日本経営倫理学会常務理事など様々な要職を兼任 。応用倫理学・企業倫理学・経営社会政策論を専攻し、数多くの著作がある。

梅津 光弘
(慶應義塾大学 商学部 准教授)

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