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後石原 督氏
ニプロパッチ株式会社
常務取締役
経営管理部長
後石原 督氏

短期間に会計システムを刷新―既存システムとつなげることで全社を見渡すツールとして活用

ニプロパッチ株式会社は外用薬を中心に、幅広い医薬品の研究・開発と製造・販売を行っている。近年、新分野の医薬品開発を積極的に行い、グローバルに販売網を拡大。2007年ニプログループとなることをきっかけに、新会計システムの構築に着手。社内ニーズに対応したシステムを短期間で構築し、安定稼働に成功した。

プロフィール

ニプロパッチ株式会社

  • 本社所在地:埼玉県春日部市南栄町8-1
  • 設立:1963年
  • 資本金:30億550万円

会計システムの使用期限が迫り新システム構築が急務に

 ニプロパッチ株式会社はドラッグストアでお馴染みのパップ剤(貼付剤)から、病院などの診療現場で処方される内用・外用薬まで、幅広い医薬品を提供しています。現在はパップ剤に加えて主力となる各種テープ剤の開発と普及に注力していますが、2007年に第一製薬グループから現在のニプログループへと親会社が変わり、2008年7月埼玉第一製薬からニプロパッチ株式会社に商号が変更されました。常務取締役経営管理部長の後石原督氏は、次のように語ります。

パップ剤の「パテックス ぺたんシッ
プ」とテープ剤の「パテックス フェルビナク35」
ニプロパッチの主力商品であるパップ剤の「パテックス ぺたんシップ」(写真左)とテープ剤の「パテックス フェルビナク35」(写真右)

 「グループが変わることで社名以外にもさまざまな変化が起こりました。会計システムの変更も、その1つでした」(後石原氏)。

 第一製薬グループではグループ共通の会計システムが導入されており、ニプロパッチも同じシステムを利用していました。しかし、第一製薬グループから離れたことで、独自のシステム構築を迫られました。旧システムの利用期限は2009年3月。必要な会計データの移行期間を考えると、前年の決算期である2008年4月から新システムに切り替える必要があります。発足から稼働までの猶予はわずか半年あまりという、厳しいプロジェクトがスタートしました。

 限られた期間の中で、新会計システムに求める要件が挙げられました。1つは、ERPとして社内にある他のシステムと柔軟につながるシステムであることだと、経営管理部 情報システムグループ長 小井川陳二氏は語ります。

小井川 陳二氏
ニプロパッチ株式会社
経営管理部
情報システムグループ長
小井川 陳二氏

 「会計システム更新後に人事給与システムの更新も控えていました。連携可能なシステムが限られた会計システムでは人事給与システムの選択肢が限られてしまいます」(小井川氏)。

 加えて、現場業務を軽減できること、企業規模に見合う予算で導入できることなどが条件に挙げられました。大がかりなシステムは納期、予算ともに要件にマッチしません。もちろん、スクラッチ開発の時間もありません。情報収集を進めていく中で、必然的に選択肢はパッケージ製品へと絞られていきました。そして検討の結果選ばれたのが、基幹業務パッケージ「EXPLANNER/Ai」です。EXPLANNERシリーズは個別の機能を持つ製品群で構成されており、システム同士のつながりが活かされるように設計されています。ほかのベンダーのシステムやレガシーシステムとも連携できる豊富なコネクタが用意されているので、社内システムの中核となりERPとして活用できます。

ノンカスタマイズ志向、業務側の対応と強力な構築支援体制で短期間導入を実現

山崎 桂多氏
ニプロパッチ株式会社
経営管理部
管理グループ 主任
山崎 桂多氏

 NECソフトがニプロパッチをお手伝いするのは今回が初めてではありません。ITインフラの導入からメンテナンスまでをNECソフトが担当し、十数年にわたってパートナーシップを築いてきました。しかし、半年あまりで会計システムを構築するのは容易ではありません。その実現に向け、ニプロパッチとNECソフトは頻繁にミーティングを行いました。その回数は毎月10回以上にもおよび、朝から夕方まで1日がかりのミーティングも少なくありませんでした。

 短期間導入のための基本的な方策は、ベースとなるEXPLANNER/Aiをカスタマイズせずに利用するというものでした。そのため、業務に合わない細かいポイントは現場の業務スタイルを変えることで対応しました。しかし、経理の現場から今回のプロジェクトに参加した経営管理部 管理グループ 主任の山崎桂多氏は「実際、カスタマイズが不要なほど機能は豊富で、現場業務の変更で対応した部分もそれほど多くはありません」と語ります。

 経理機能よりも既存システムとの連携部分や過去4年分の会計データ移植が焦点となりました。生産管理システムなど6つの既存システムとつなげるために、それぞれインターフェースが必要です。NECソフトからは複数の担当者がミーティングに参加し、6つのインターフェースに関する要件を並行して煮詰めていきました。その後の構築も順調に進み、2008年3月には予定どおりに新会計システムの用意ができたのです。

EXPLANNER/Aiを導入した新会計システムの概要 一般従業員にはWeb画面からの精算申請(承認連動)を、部門経費担当者には会計システムの機能を割り当てた。EXPLANNER/Aiには売上・仕入データ(生産管理システム)、購買データ(経費購買システム)、そして給与仕訳データも連動して入力される。目的に合ったアウトプット帳票出力およびExcelシートへの情報出力により、資料作成工数を削減できる

1部署だけでも1か月に1000枚の伝票削減に成功

短期間に会計システムを刷新した二プロパッチニプロパッチ株式会社

 2008年4月、新しい会計システムが本格的に稼働開始。本稼働前には1か月ほどの期間をかけ、従業員に対して使用方法の説明が行われました。わかりやすい操作画面のおかげもあってか、好評のうちに現場に受け入れられ、スタートを切ることができました。

 従来は購買システムや経費精算システムなどに情報を入力した後、同じ情報を別途会計システムに入力する必要がありました。新システムでは会計システムと主要なシステムがつながり、会計に必要な情報は自動的に同期します。以前にも周辺システムとの連携は検討されたものの、多額の開発費が必要なために断念しており、それが今回ようやく実現されました。

 「システム間の連携により、紙伝票が激減しました。たとえば研究部門の1部署だけを見ても1か月で約1000枚の伝票が不要になりました。これは4日分の作業に相当します。その時間を本来の研究開発に使えるようになりました」(小井川氏)。

 また、2008年は日本版SOX法の施行初年度にあたり、会計情報には監査法人も目を光らせています。

 「新システムでは承認履歴も残るため、監査法人の評判も上々です。アクセス権限を細かく設定できる点や、財務諸表の出力に必要なフォーマットがそろっている点など、内部統制への対応では高い評価を受けました」(山崎氏)。

 以前は、財務諸表を作成するために必要なデータを旧システムから抜き出し、手作業でまとめていました。当然、人的ミスの不安が残ります。必要な情報を網羅した出力フォーマットがパッケージに用意されていれば、作業ミスは極限まで抑えられ、監査のための情報としての信頼度が高まります。

 新会計システムの稼働から約1年、深刻なトラブルは一切ありません。パッケージソフトならではの高い安定性が発揮されています。インフラのメンテナンスとソフトウェアを1つのベンダーに任せていることで得られる安心感も大きいようです。システムに関する窓口が1つになるので、万一の障害時にもユーザー側で原因を切り分ける必要はありません。

 「投資規模や使い勝手、管理のしやすさなどさまざまな観点から見て、自分たちの身の丈に合ったシステムを構築できたと思っています。非常に使いやすいので、同規模の企業の方にも、ぜひお勧めしたいですね」(小井川氏)。

 2009年1月には人事給与システムも更新し、システムの入れ替えが一段落します。それでも課題がなくなるわけではありません。

 「目先の課題がやっと片付いた状態ですね。次に対応を考えているのは、生産原価管理システムです。工場全体が関係する大きな改変になるので、社内の体制作りや時期を見極めながら取り組んでいくつもりです」(後石原氏)。

 業界再編の影響に短期間で対応したニプロパッチ。目前の課題を解決し、より大がかりな改善に取り組むための環境が整いました。今後はじっくりと腰をすえ、研究開発や品質の高い医薬品生産という業務の根幹に関わる改革にチャレンジすることになります。

システム担当より

NECソフト 北関東支社 ビジネスソリューショングループ リーダー 土井 裕行

NECソフト 北関東支社
ビジネスソリューショングループ
リーダー
土井 裕行

ニプロパッチ様とNECソフトは、10年以上のおつきあいになります。今回は極めて短期間での会計システム構築というチャレンジでしたが、綿密にミーティングを繰り返し、同じ目的を共有することで、チームとして一丸となって取り組んだ結果、無事このシステムをカットオーバーすることができました。この経験を活かして、ニプロパッチ様のさらなる発展のお手伝いをさせていただければと思っています。

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